訪問リハビリの実際 その5

最終更新日

訪問リハビリの実際を、ストーリー仕立てでお伝えしています。

訪問リハビリで、お風呂に入る練習を行い、実際に入れる見込みができました。
では1人で入りましょう、となるのではなく、段階を踏んで進めていきます。

第1段階 ヘルパーさんに見守ってもらって入る。
第2段階 ヘルパーさんが台所で家事をしている時に1人で入る。ヘルパーさんは時々浴室を見に行く。
第3段階 1人で入る。

このように段階を踏んで進めることで、新たな課題があれば対応方法を考えて実施します。その結果、確実に安全に動作ができるようになります。

お風呂に入れた!

第1段階

ヘルパーさんに、手すりを持つ位置、足を上げる順番など、声をかけてもらって入ります。足の筋力が弱くなっているので、浴槽の中に、いすやすべりどめマットを置くことになったのです。手の届かない背中を洗うのも手伝ってもらいました。

訪問リハビリで練習した通りの手順でまたぎます。お風呂は湯気ですべりやすくなっていますが、手順通りに入ることができました。

久々の家のお風呂・・ Aさんはうれしくなりました。早く1人でお風呂に入るのが、待ち遠しい気分です。

後日、作業療法士とケアマネージャーは電話で連絡を取り合い、動作に問題がないか等を確認します。

第2段階

1か月が経ち、第2段階に入りました。
浴槽に入る・出る動作もずいぶん慣れてきました。浴槽の中にすべりどめマットがあると、足がすべらないので安心できます。

Aさんは、1人でお風呂に入る自信がついてきました。
お風呂に入っている今は、ヘルパーさんが台所で調理をしています。いざという時は、ヘルパーさんを呼べばいいと思うと、安心してゆっくりお風呂に入れます。

第3段階

さらに1か月が経ちました。
ヘルパーさんを呼ぶこともなく、ついに1人で入れるようになりました。手順もばっちり身体が覚えています。お気に入りの入浴剤を入れて、お風呂でゆっくりとくつろぐAさんでした。

Aさん、ヘルパー、ケアマネージャー、作業療法士、皆の協力で、1人でお風呂に入れるようになったのです。

 

さあ次は、洗濯の練習です。

次回に続きます。(注:これはフィクションです)

 

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じゅん

作業療法士をしています。 読書と山歩き、音楽が好きです。 詳しいプロフィールはこちら。

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