<本>「ひとりじゃないから、大丈夫。」織田友理子氏 :難病と共に生き、社会に役立つ活動を実践!
今回は本の紹介です。
別の本の中で、著者と対談していた織田さん。どんな方が知りたくて読んでみました。
希少な難病を持ちながら、ハードとハートのバリアフリー改善策を提示するなど、精力的に活動される女性です。
ひとりじゃないから、大丈夫。
織田友理子 氏 (鳳書院 2015年)
織田氏は、22歳の時に、「遠位型ミオパチー」という進行性の筋肉の病気の診断を受けます。
この病気は原因不明で、身体の中心から遠い筋(遠位筋)、例えば足首を動かすような筋肉や指先を動かすような筋肉から障害されます。
徐々に身体の中心に近い筋も障害されるようになり、その結果、座った状態からの立ち上がりや階段の昇り降りなどが難しくなり、10数年で全面的に車いすを使用するようになると考えられています。
いくつかの種類がありますが、全国で約850人しかおられず、極めてまれな病気と言われています。
遠位型ミオパチー 難病情報センターホームページ
いろいろな活動 <患者会>
織田氏たちは、2008年に「PADM(パダム)遠位型ミオパチー患者会」を38名で発足し、難病に指定されるための署名活動などを行った結果、2015年に遠位型ミオパチーは「指定難病」となりました。
国が指定する「指定難病」では、医療費助成が一部受けられます。また治療法や薬の開発等の研究体制や普及活動が進みやすくなるのです。
いろいろな活動 <一般社団法人 WheeLog(ウィーログ)>
WheeLog は、「車いすでもあきらめない世界」をつくるために、街歩きイベントや、教育プログラムなどを行っています。
バリアフリーマップの「WheeLog!アプリ」は、誰もが施設などの写真や情報の投稿をしたり、情報を得たりできるアプリです。
運営メンバーは、織田氏、伊藤史人氏(島根大学総合理工学研究科助教)、吉藤オリィ氏(株式会社オリィ研究所、代表取締役所長)だそうです。
伊藤氏は、重度障害者のICTを使ったコミュニケーション支援技術の研究や普及活動をされ、ゲームを取り入れたリハビリテーション技術などにも取り組まれています。
サイト「ポランの広場」では、重度の障害者に関連した福祉&工学系の情報を発信されています。
吉藤氏のオリィ研究所は、孤独の要因となる「移動」「対話」「役割」などの問題をテクノロジーで解決し、これからの時代の新たな「社会参加」を実現するというミッションを掲げられています。
分身ロボットOriHime(オリヒメ)は、移動の制約を克服し、その場にいるようなコミュニケーションを実現するロボットです。
本書から「インターネットは世界を変える」ことを改めて感じる
織田氏や周りの方のいろいろな取り組みは、インターネットの普及なしには、ありえなかったと思います。
どんな困難も、心さえ負けなければ、大丈夫。私には支えてくれる多くの方々がいる。あなたにも必ずいる。ひとりじゃないから、大丈夫。
という織田氏の言葉は、顔を合わせる人だけでなく、インターネットを通じた広い人々とのつながりを表していると感じます。
誰もが互いに認め合い安心できる世の中へ
私もできることに取り組んでいきたいと思います。
投稿者プロフィール
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作業療法士をしています。
読書と山歩き、音楽が好きです。
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