【本】脳損傷の後遺症の高次脳機能障害が分かる! 「いうこと聞かへん脳やけど 言語聴覚士のお仕事2」 西村紀子氏
こんにちは
本の紹介です。
高次脳機能障害って聞いたことありますか?
けがや病気が原因で脳が損傷されると、いろいろな症状が起こりますが、その1つです。
身体の麻痺では手足がうごきづらくなりますし、感覚の麻痺では熱い冷たいが鈍くなったりしびれ感がでたりします。
高次脳機能障害は目には見えませんが、脳の情報処理の働きがしづらくなります。記憶や注意、意欲など、いろいろな機能があります。
本書は、見えない障害と言われる高次脳機能障害について、言語聴覚士の西村さんが、当事者やご家族にインタビューして書かれています。
いうこと聞かへん脳やけど 言語聴覚士のお仕事2
西村紀子 著 2020年
AmazonのHPより引用
見た目は変わらない。なのに、ある日突然、別人のようになってしまった人達と家族の日常を語る!
現場19年、大阪の元気な言語聴覚士が、患者から集めた声とそこから見える生き様、そして社会に横たわる問題について考え、私たちに何ができるかを示した本。
思い通りにならないと苦しんでいる人たちにぜひ読んで欲しい一冊。
内容
いろいろな高次脳機能障害について、当事者や家族の話を聴いて、障害について知らない方にも、分かりやすく書かれた本書。
次のような障害について、書かれています。
脱抑制 注意障害 記憶障害 遂行機能障害 など
言葉だけ見ると、なんだろう?? と思われるかもしれませんが、当事者やご家族の実話なので、よく理解できます。「そんなこと、自分にもあるわ」「何となくわかるわ」と感じて頂けることは間違いありません。
当事者とご家族、リハビリ
私も作業療法士として、当事者やご家族に関わる機会があります。
脳を損傷して、身体の麻痺や感覚の麻痺が少なくても、高次脳機能障害があって、病院を退院後に社会生活がうまくいかない・・ 家族との関係がうまくいかない・・ といった方はたくさんおられます。
ただ、作業療法士として関わる機会は、入院中のリハビリや退院後のリハビリ(外来リハビリ、通所リハビリ、訪問リハビリ)に限られます。
外来リハビリや通所リハビリでは、ご家族に会うことは少ないので、ご家族の本当の想いを聴く機会は少ないです。
この本を読んで、けがや病気をして何年もたった当事者やご家族が、どのようなことに困っているのか、何を感じているのか、医療や福祉・社会に何を求めているのか、を知ることができました。
著者のことば
西村さんは「はじめに」で、
当事者の人には、この本を読んで「これは後遺症なのかもしれないけど、これでもいいやん!」と思ってもらえたらと願っています。また、当事者でない人には「自分の周りにも、こんな人いるよね。自分にも、確かにこんなところあるよね」という感じで、この障害のことを身近に思っていただければ嬉しいです。
と書かれています。
ぜひ多くの方にお読みいただければと思います。
この本はAmazonで購入できます。kindle読み放題プラン( kindle unlimited)の方は無料で読めます。
投稿者プロフィール
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作業療法士をしています。
読書と山歩き、音楽が好きです。
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