【本】体験談から知る失語症 <言葉を超えて 失語症と生きるということ>
こんにちは
本の紹介です。
「失語症」をご存知でしょうか。
聴く、話す、読む、書くなどの言葉の機能が障害された状態のことをいいます。脳梗塞や脳腫瘍、頭部外傷など大脳に何らかの問題が生じることが原因で起こります。
この本は、失語症の説明や、当事者の体験談、家族の対応方法などが、分かりやすく書かれています。
言葉を超えて 失語症と生きるということ
失語症の日制定実行委員会(編集) 2021年
Amazonホームページより引用
失語症当事者、家族、支援者、言語聴覚士が、それぞれの立場から「失語症」について綴った「言葉」を集めた本。失語症を負ったばかりの方、そのご家族、言語聴覚士を目指す方、行政担当の方、すべての方に読んで欲しい一冊。
目次
「他の失語症者の生活を知りたい」「このような病気、障害を持っている人は他にもいるのか?」と思われている、多くの失語症や家族の方をはじめ、支援者など多くの方に読んで頂けるように工夫された本です。
医学的な説明もありますし、失語症のご本人が、どのようなことを経験し、考え、生活をしているのか。また、寄り添う家族は何を思うのか、支援をする人は何を求められているのか、どんな支援団体があるのか、そんな多面的な内容の本です。
第1章 失語症とは
第2章 失語症の体験談(1)(2)(3)(4)(5)
第3章 失語症のある方がいる家族さんへ
第4章 失語症関係団体の活動(1)(2)
第5章 失語症Q&A
感想
第2章の失語症の体験談は、5名の方の体験が語られます。
入院中のエピソードや退院してから困ったこと、生活で工夫していることなどが具体的に書かれており、それぞれの方がどのように困ったことを解決し、生活されているのかがとてもよく分かりました。
第3章の失語症のある方がいる家族さんへ は、失語症の方だけでなく、障害のある方への家族の関わり方がとても大切なことを改めて気づかされます。
私は訪問リハビリテーションを担当していますが、病気やケガなどで何らかの障害が残った場合、病院からの退院 = 生活の再開 で、いろいろな困りごとが起こることをよく経験します。
例えば、家の中のことはできても外出ができない、社会生活を送ることが難しいなど、いろいろなことが起こります。そういった困りごとを1つ1つ解決していくのは、本人や家族、支援者など、多くの方の取組みや工夫が大切だと感じています。
多面的な内容の本書は、興味のあるところから読むのもよいと思います。支援者の方や言語聴覚士の学生さんは、ぜひ全部を読まれるのがお勧めです。
下記の本はいずれも、kindle unlimited 会員の方は無料で読めます。(2021年5月27日現在)
投稿者プロフィール
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作業療法士をしています。
読書と山歩き、音楽が好きです。
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