「老乱」 久坂部羊氏 ~本
こんにちは
今回は本の話題です。心に残った本を、時々ご紹介します。
「 老乱 」 著者:久坂部羊氏 (朝日新聞出版、2016年)
久坂部氏は、医師、作家であり、医療に関する小説を多数書かれています。
この本は認知症がテーマです。
主人公の男性は、老いを不安に感じながら1人暮らしをしており、徐々に物忘れが見られるようになってきます。
何かおかしいと物忘れに気付きながら、認知症にならないように、家族に迷惑をかけないようにと、日記をつけたり、運動に取り組む男性。
離れて暮らす息子と妻は、父の物忘れを認めたくないと思いながら関わっていますが、徐々に物忘れが進むにつれ、何らかの対応が必要だと感じ始め、知人から情報を得たり、介護保険の利用を考えていく・・・
男性の不安や家族に対する思い、家族の混乱や不安な気持ち、医師やケアマネジャーの関わりなどが生き生きと描かれています。
認知症という病気に直面した時のご本人の気持ちは、きっとこんな感じなのだろうと思いながら読みました。
今後、高齢化の進展とともに、認知症になる方が増えると言われています。
認知症ってなに? どういうことが起こるの? どういう支援が利用できるの? など、知らないことを物語として追体験することができます。
とてもおすすめの本です。
投稿者プロフィール
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作業療法士をしています。
読書と山歩き、音楽が好きです。
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