なぜ同じ病院に長く入院できないのか?(その1)医療保険制度と診療報酬の関係
こんにちは
知り合いの方から、親御さんが病院に入院した時に、長く入院させてもらえなかった、という話を聞きました。
病気の治療が一段落して病状が落ち着いたら、違う病院への転院を勧められたとのこと。
医療保険制度では、病棟の種別によって、大まかな入院期間が想定されているのですが、分かりにくい面も多いかと思います。
今回は、医療保険制度と診療報酬について書きます。
医療保険制度と診療報酬
医療保険制度では、医療機関で行われるすべての診療行為について、治療費(診療報酬という)が全国統一で決められています。
例えば、医療機関にかかった時の基本料に当たる「初診料」は282点(1点10円なので、2,820円)となっています。
初診料以外にも、すべての診療行為について、この検査が〇点、この手術が〇点、というように定められています。
診療報酬は、病院を受診した際に会計でもらう、診療明細書に詳しく記載されています。
診療報酬改定
診療報酬は、2年に1回、見直されます。最近では平成30年4月に改定されています。
診療報酬改定では、下記が定められます。
・個々の診療行為の価格を定める(価格表): 1点10円
・保険診療の範囲・内容を定める(品目表): 技術・サービスは約5,000項目
掲載されない診療行為は保険診療として認められません。保険外診療となるわけです。
もちろん、保険診療であるリハビリテーションについても、種類と価格が定められています。
主なものには、脳血管疾患等リハビリテーション料、運動器リハビリテーション料、心大血管疾患リハビリテーション料、呼吸器リハビリテーション料、廃用症候群リハビリテーション料 があり、それぞれ、実施時間20分で〇点 と定められています。
医療機関では
診療報酬改定に合わせて、医療費の計算・請求を行います。
医療機関は、2年に1回の改定の度に「診療点数早見表」などを購入したり、会計のソフトを更新して、対応します。
ちなみにこの本、1,728ページもあり、分厚くて重く、しかも文字もとても細かいです。
このように、診療報酬は細かに定められていることがお分かりいただけたと思います。
次回、入院期間と診療報酬について書きたいと思います。
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作業療法士をしています。
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