<リハビリの風景> 終の棲家
こんにちは
住みなれた家で最期まで暮らす・・
多くの方が望んでいることかもしれませんが、いろいろな事情で、住まい方を変えることもあります。
その女性は、通所リハビリに来られた時に、声をひそめて言われた。
「ここに来るのは、今日で最後なんです」
子どもさんと2人暮らしの女性は、ご自分の身の回りのことは何とかできます。家の中は何とか歩くことができるものの、外出の時には車いすと介助者が必要です。家事や対外的なことは全て、子どもさんがしています。
近々、子どもさんが結婚され、遠く離れた町で暮らすことになったのです。喜ばしいことでありながら、ご自分の住まい方を考えなくてはいけないことになりました。
介護保険制度を利用して、何とか1人暮らしができないか、子どもさんやケアマネジャーさんと相談したそうです。いろいろと相談した結果、施設へ入所する選択をされました。
施設に入所するため、今後は通所リハビリを利用できません。今まで培ってきた人との関係が疎遠になってしまいます。
この日は、少し淋しそうな表情をしながら、知り合いの方々に、最後の挨拶をされていたご様子でした。
淋しそうに、それでも笑顔を見せる女性。
私も「元気でいてくださいね」と努めて明るく声をかけ、女性も「そちらもお元気でね。またね」と笑顔で答えて下さいました。
誰かが悪いわけでもなく、住まい方の選択を迫られる時・・、誰にでもいつか訪れることなのかもしれません。
心構えなんて簡単にはできないことだと思いますが、いろいろと考えさせられました。
お元気で・・ ありがとうございました
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作業療法士をしています。
読書と山歩き、音楽が好きです。
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