「ネガティブ・ケイパビリティ 答えの出ない事態に耐える力」 ~本

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こんにちは

複数の知人のブログで紹介されていて、何となく気になっていた本。
先日、図書館で見つけ手に取りました。
ネガティブ・ケイパビリティって何? 答えの出ない事態に耐える力って何?
それは、どうにもならない変えられない、とりつくすべもない事柄に満ちている私たちの人生や社会の中で、必要な能力だったのです。

ネガティブ・ケイパビリティ 答えの出ない事態に耐える力

帚木蓬生 氏 (朝日新聞出版 2017年)

帚木氏は、多くの受賞歴を持つ作家であり、臨床経験40年の精神科医でもあります。

精神科医として、医学論文を多数読む中で出会った「ネガティブ・ケイパビリティ」という言葉が、帚木氏をずっと支え続けているといいます。
ネガティブ・ケイパビリティ(negative capability 負の能力もしくは陰性能力)とは、「どうにも答えの出ない、どうにも対処しようのない事態に耐える力」、あるいは「性急に証明や理由を求めずに、不確実さや不思議さ、懐疑の中にいることができる能力」を意味します。

ポジティブ・ケイパビリティ と ネガティブ・ケイパビリティ

現代の教育では、多くの知識を学び、それを素早く解決するという問題解決能力を高めることが中心となっていますが(ポジティブ・ケイパビリティ)、それだけではなく「どうしても解決しない時にも持ちこたえていくことができる能力(ネガティブ・ケイパビリティ)」も培う視点が大切だと述べています。

医学教育では、できるだけ早く患者さんの問題を見出し、できるだけ早く、その解決を図ることが至上命令になっています(ポジティブ・ケイパビリティ)。しかし現実には、問題が見つからない場合や、複雑すぎる場合、そもそも解決策がない場合もあり、ネガティブ・ケイパビリティが必要になるのです。

共感する

人の最高の財産のひとつは「共感」であり、子どもから成長するに伴い、他者の気持ちを知って理解する土台ができ、他者の感情や痛みを分かち合う能力が育成されます。

共感が熟成していく過程に、常に寄り添っている伴走者がネガティブ・ケイパビリティであり、悩める現代人に最も必要なのが「共感する」ことだと結んでいます。

文学や教育、医療など多方面から「ネガティブ・ケイパビリティ」について述べた本書。
いずれかの章に、皆さんも深く共感されるのではないかと思います。

じゅん

作業療法士をしています。 読書と山歩き、音楽が好きです。 詳しいプロフィールはこちら。

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