訪問リハビリの実際 その4

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入浴剤のお風呂に入っている人のイラスト

訪問リハビリの実際を、ストーリー仕立てでお伝えしています。
訪問リハビリでの練習が始まります。

リハビリでは、何かの動作ができない時に、
アセスメント(現状の把握) → 原因の分析 → 対応 と進めていきます。
Aさんの困りごとのひとつ、家でお風呂に入ることを訪問リハビリで練習します。

お風呂に入りたい!

アセスメント

Aさんの要因
足の筋力が弱く疲労しやすい、腰が曲がっており伸びにくい、手の筋力は十分ある

浴室の要因
浴槽がとても深い、浴室内に手すりがある

どこで困るか
お風呂に入るという動作には、
服を脱ぐ・着る → 身体・髪を洗う → 浴槽に入る・出る があります。
Aさんは、「浴槽に入る・出る」が難しいですが、他はできそうです。

原因の分析

「足の筋力が弱く疲労しやすい」のは、
入院・入所で活動量が低下したこと、加齢に伴うことがあります。
動く量を増やすことで、徐々に改善しそうです。

「浴槽がとても深い」のは、足が高く上がれば浴槽に出入りできそうですが、
Aさんは腰が伸びないなど、足を高く上げることは難しそうです。

対応

活動量を増やす
通所リハビリを利用し、運動をしたり、他の方と交流したりする。

浴槽をまたぐ動作の練習
服を着た状態で、実際にお風呂場で練習します。
足の出入りの順番をどうするか、手すりをどう持つかなど、相談しながら練習します。
お風呂がとても深いため、福祉用具が必要になりそうです。

福祉用具を利用する
浴槽内いす(浴槽の中に置く)、すべりどめマット(浴槽の底に敷く)があれば、ゆくゆくはAさん1人で浴槽の出入りができそうです。

訪問リハビリで、浴槽をまたぐ動作の練習を続け、
福祉用具を利用すればできる見込みがたちました。

次回に続きます。(注:これはフィクションです)

 

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じゅん

作業療法士をしています。 読書と山歩き、音楽が好きです。 詳しいプロフィールはこちら。

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