訪問リハビリの実際 最終回 その6

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洗濯のイラスト「お母さん・洋服」

訪問リハビリの実際を、ストーリー仕立てでお伝えしています。

お風呂に入れるようになったAさん、自分でしたいことが他にもでてきました。
それは洗濯です。
1人暮らしとは言え、週に数回は洗濯しないといけません。
まだ自信がないので、訪問リハビリで練習することになりました。

作業療法士は、入浴の時と同じように、アセスメント(現状の把握) → 原因の分析 → 対応 と進めていきます。

自分で洗濯したい!

アセスメント

Aさんの要因
足の筋力が弱く疲労しやすい、腰が曲がっており伸びにくい、高いところに手が届かない

他の要因
洗濯機と干し場が離れている、途中3か所に段差がある、物干竿の位置が高い

どこで困るか
洗濯をする動作には、
洗濯機に衣類を入れて洗う → 洗濯機から出す → 干し場まで運ぶ → 干す → 取り入れる → 運ぶ → たたむ → 片付ける があります。
確認した結果、「運ぶ」「干す」ことが難しいことが分かりました。

原因の分析

「運ぶ」のは、「洗濯物を持つ + 歩く」 ということなので、
「足の筋力が弱く疲労しやすい」Aさんには、負担が大きい動作です。
何か方法を考えることが必要です。

「干す」のは、Aさんは腰が曲がっていて伸びませんし、物干竿の位置が高く、背伸びしてようやく届く程度です。
背伸びでは、いつ転倒してもおかしくありません。これも何か方法を考えることが必要です。

対応

足の筋力の向上
通所リハビリを利用し、運動を継続する。

物を運ぶ練習
歩行器に洗濯かごを乗せて運ぶことにしました。歩行器や洗濯かごを置く位置を相談して決めます。
安全に動作ができ、かつ腰に負担が少ない方法を具体的に考えます。

洗濯物を干す練習
物干竿を使うのはやめて、ハンガーラックを使うことにします。
これだとAさんが使いやすい高さに調整することができますし、背伸びせずに干す・取り込むことができそうです。

 

訪問リハビリで2週間ほど練習したAさん、1人でできると自信ができ、少しずつ自分でするようになりました。
シーツ等の大きな物は干しにくいので、娘さんが帰省時に洗濯してくれます。

自分の住み慣れた家で、自分のペースで生活ができるようになったAさん、自信もでてきました。
そろそろ訪問リハビリも卒業できそうです。

その後、Aさん、娘さん、ケアマネージャー、作業療法士で相談した結果、訪問リハビリは終了することになりました。

 

いかがだったでしょうか。
訪問リハビリの仕事を少し知っていただけたのではないかと思います。
長いストーリーをお読みいただき、ありがとうございました。
(注:これはフィクションです)

 

じゅん

作業療法士をしています。 読書と山歩き、音楽が好きです。 詳しいプロフィールはこちら。

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