<本>当事者の姿が世の中を変えていく 「注文をまちがえる料理店」小国士朗氏
こんにちは
本の紹介です。
2017年6月、変わったレストランが試験的に2日間だけオープンしました。
「注文をまちがえる料理店」
認知症を抱える方が接客をするレストランです。
発案した小国氏、一緒に作り上げてきたスタッフや当事者の方々の姿が描かれたこの本。
認知症の方だけでなく、誰もが住みやすい社会について考えるきっかけをくれる本です。
注文をまちがえる料理店
小国士朗 著 あさ出版 2017年
あさ出版のHPより引用
2017年6月。
日本のみならず世界中の話題をさらったレストランがありました。その名は「注文をまちがえる料理店」。
接客をするのは「認知症を抱える人」。
まちがえることを受け入れて、まちがえることを一緒に楽しむ。
この不思議であたたかいレストランのものがたりを1冊にまとめたのが本書です。Ⅰ部ではこのレストランで本当にあったお話(物語)を、Ⅱ部ではこの企画の発起人である小国士朗氏による解説ならびにレストランにかける思いを掲載しています。
忘れちゃったけど、まちがえちゃったけど、まあいいか。
当事者や家族の思い
第Ⅰ部「注文をまちがえる料理店」で本当にあったものがたり には、13のストーリーが描かれています。
家族の思い、家族から見た当事者の思い、福祉チームのサポーターの思いなどが生き生きと語られます。
「よかったね」はもちろんのこと、それだけではない、いろいろな思いを知ることができます。
注文をまちがえる料理店のつくり方
第Ⅱ部 注文をまちがえる料理店のつくりかた では、元テレビディレクターの小国氏が、多くの仲間とともにプロジェクトを進めていく様子が描かれています。
強く感じたのは、「やっぱり人だな」ということ。
小国氏は、プロジェクトを成功させるために、仲間になってもらいたい方の条件として、①100%おもしろがってくれる人 ②僕にできないことができる人 ③自分の利益を捨てられる人 をあげたそうです。
その結果、素晴らしいプロフェッショナルなメンバーが集まり、実行委員会での打ち合わせを重ねていきました。
この過程は、ぜひ本をお読みいただければと思います。
このプロジェクトだけでなく、何かを始める時に、何を大切にしなければいけないのか、など考えさせられました。
注文をまちがえる料理店の広がり
2017年のプロジェクトをきっかけに、日本各地で様々な取り組みがされています。
【公式】注文をまちがえる料理店
2018年5月には、有志による活動だった「注文をまちがえる料理店」が一般社団法人となっています。
全国各地から届く「私の街でもやりたい」というあたたかいお声にお応えしていくために、より整った体制が必要であると感じたためだそうです。
お客様の見送りの最後に、プロジェクトメンバーの和田行男氏がつぶやかれた、「当事者の姿が、世の中を変えていくんだよなぁ」という言葉は、とても心に沁みました。
誰もが住みやすい社会であること、考えていきたいと思いました。
おすすめの本です。
ちなみに、Kindle Unlimited(2019年11月23日現在)で読むこともできます。
投稿者プロフィール
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作業療法士をしています。
読書と山歩き、音楽が好きです。
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