歩行器を使うのは年寄りくさい? 価値観と道具
こんにちは
日々仕事で多くの方に出会います。
時々聞くのが、「〇〇を使うのは年寄りくさいから・・」という言葉。
価値観は人それぞれです。
「年寄りくさい」という気持ち
リハビリの仕事をしているので、病気やケガ・年齢に伴う筋力低下などのある高齢の方と出会います。
歩きづらくなってくると、杖や歩行器といった歩くための道具を使います。
家の中では、伝い歩きなどで歩ける方でも、外出など長距離を歩く場合には、杖や歩行器を使うと楽に歩くことができます。
私としては、楽に長く歩くための道具として、歩行器などをお勧めすることがありますが、時々言われるのが、
「年寄りくさいから持ちたくない」
という言葉。
「そんな物を持って歩くのは格好が悪い」「恥ずかしい」「歩きにくくなった自分が情けない」
といったお気持ちかもしれません。
その方の年齢に関係なくそう言われます。「年寄り」はあくまでもイメージであって、数字的な年齢をさすものではないのです。
使う人の価値観と専門職の価値観
私の価値観としては、
「道具を使って楽に長く歩いたり、気軽に外出できることで、足の筋力など機能の低下を予防できる。外出時など場面を限った上で使った方がよい」
となります。
ここに価値観の相違が生じます。
選択・決定をするのは、あくまでもご本人なので、こちらはそのように考える理由を説明したり、試しに歩行器を押していただいたりします。
その結果、「試しに使ってみよう」や「やっぱり結構です」となったりしますが、体験していただくことが大切だと思っています。
イメージだけで、体験したことがなければ、道具の良し悪しも判断しづらいと思うのです。その方が選択・決定できるための情報を提供するようにしています。
価値観は人それぞれ
気をつけないといけないのは、こちらの価値観を押し付けること。
相手のためによかれと思って、つい押し付けがましくなることがあるのです。
その方がよい選択・決定をするための情報を、具体的に分かりやすく提供する
そういう役割も専門職として大切ではないかと思います。日々精進です。
投稿者プロフィール

-
作業療法士をしています。
読書と山歩き、音楽が好きです。
詳しいプロフィールはこちら。
最新の投稿
- 2023.04.23山歩き信仰の山 高御位山に登る @兵庫県高砂市【2023年4月】
- 2023.03.12リハビリ・医療【本】制度や就労支援のことがわかる! 若年性認知症の人や家族への支援のきほん
- 2023.01.15いろいろ【本】自分で合理的に選択することが大切! 健康寿命を延ばす「選択」
- 2023.01.02リハビリ・医療人生初の「大腸内視鏡検査」を受けてみた