<もしバナゲーム> 大切な人との「もしものため」の話をするきっかけ作り
こんにちは
昨年、ネット記事で見つけた「もしバナゲーム」のことを書きました。
「もしバナ」とは、「もしものための話し合い」のこと。縁起でもないと言われそうな話を、ゲームを通じてすることができます。
先日、職場で医師の机の上に「もしバナゲーム」があるのを発見し、実物を見ることができました。
カードを1枚1枚めくっていると、自分が何を大切にしたいのか、少し分かってきました。
死は「誰にも」「かならず」「一度だけ」訪れる
最近、アドバンス・ケア・プランニング(ACP)という言葉を耳にすることが増えました。
厚生労働省でも、ACPの愛称を「人生会議」と定めて、広く普及啓発を行っています。
誰でも、いつでも、命に関わる大きな病気やケガをする可能性があります。
命の危険が迫った状態になると、約70%の方が医療・ケアなどを自分で決めたり、望みを人に伝えたりすることが出来なくなると言われています。
自らが希望する医療・ケアを受けるために、大切にしていることや望んでいること、どこで、どのような医療・ケアを望むかを自分自身で前もって考え、周囲の信頼する人たちと話し合い、共有することが重要です。
自らが望む人生の最終段階における医療・ケアについて、前もって考え、医療・ケアチーム等と繰り返し話し合い共有する取り組みを「アドバンス・ケア・プランニング(ACP)」と呼びます。
「もしバナゲーム」とは
「もしバナゲーム」は、人生の最期にどうありたいか という大切で難しい話題を考えたり話し合うことができます。
ゲームを通して、家族や友人に自分の願いを伝え、理解してもらったり、逆に、大切な人の願いを知ることもできます。
カードは全部で36枚あり、35枚には、重病のときや死の間際に「大事なこと」として人がよく口にする言葉が書いてあります。
たとえば、「どのようにケアして欲しいか」、「誰にそばにいて欲しいか」、そして「自分にとって何が大事か」などです。
「痛みがない」「不安がない」「家族と一緒に過ごす」「私が望む形で治療やケアをしてもらえる」「いい人生だったと思える」などがあります。
1人では、1枚1枚のカードを見て、「とても需要」「ある程度重要」「重要でない」の3つに分け、とても重要と感じたカードの中で、優先順位をつけることで、自分が何を大切にするのかを考えることができます。
やってみましたが、35枚のうち、全然大切ではないと思うカードや、これはすごく大事! と思うカードがありました。
写真にあるカード、「痛みがない」「不安がない」「家族と一緒に過ごす」「私が望む形で治療やケアをしてもらえる」「いい人生だったと思える」が、私にとっては重要度の高い項目でした。
カードの文字を見ることで、そのことを考えますから、隠れた自分の希望が表れやすくなります。
「人生の最期にどうありたいですか」と聞かれても、答えに詰まりますが、1つ1つ聞かれると、答えやすくなりますね。
大切な人の意思を知っておくこと
人生の最期にどうありたいか
家族とそのような話をするのは、気まずい、縁起でもないと思ってしまいますが、いずれ話をすることが大切だと思います。
一方で、自分の意思は、ぜひ家族に早く伝えておきたいと思いました。
面と向かって話しにくいことを伝えるきっかけになる「もしバナゲーム」のようなツールが、これからも増えていくのかもしれませんね。
投稿者プロフィール

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作業療法士をしています。
読書と山歩き、音楽が好きです。
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