「作業療法」ってなに? 33年ぶりに日本作業療法士協会が定義を改訂

家事をする家族のイラスト

こんにちは

リハビリテーションの1つである、作業療法ってお聞きになったことはありますか?
理学療法、言語聴覚療法、作業療法・・ いろいろあるけど違いは??

最近、職能団体が作業療法の定義を改訂しました。

作業療法士

日本に作業療法士が誕生したのは昭和41年、約50年前のことです。
昭和40年に、「理学療法士及び作業療法士法」が制定されました。

作業療法の役割の変化

この間に作業療法の役割は医療から保健、福祉、教育、就労へと拡大していき、
1985年に日本作業療法士協会が定めた定義では、多様化する作業療法の職能を十分表現できなくなったため、今回、定義が改定されました。

作業療法の定義(日本作業療法士協会)

作業療法は、人々の健康と幸福を促進するために、医療、保健、福祉、教育、職業などの領域で行われる、作業に焦点を当てた治療、指導、援助である。
作業とは、対象となる人々にとって目的や価値を持つ生活行為を指す。

(註釈)
・作業療法は「人は作業を通して健康や幸福になる」という基本理念と学術的根拠に基づいて行われる。

・作業療法の対象となる人々とは、身体、精神、発達、高齢期の障害や、環境への不適応により、日々の作業に困難が生じている、またはそれが予測される人や集団を指す。

・作業には、日常生活活動、家事、仕事、趣味、遊び、対人交流、休養など、人が営む生活行為と、それを行うのに必要な心身の活動が含まれる。

・作業には、人々ができるようになりたいこと、できる必要があること、できることが期待されていることなど、個別的な目的や価値が含まれる。

・作業に焦点を当てた実践には、心身機能の回復、維持、あるいは低下を予防する手段としての作業の利用と、その作業自体を練習し、できるようにしていくという目的としての作業の利用、およびこれらを達成するための環境への働きかけが含まれる。

作業療法の「作業」は

学生時代は、作業とは「手作業」や「何か物を作ること」と思っていました。
一般的な意味としては、そうだと思います。

作業療法では、作業を「日常生活活動、家事、仕事、趣味、遊び、対人交流、休養など、人が営む生活行為と、それを行うのに必要な心身の活動が含まれる」と捉えます。

人が行うすべての活動といった意味です。

33年ぶりの改定を見て、これからも皆さんのお役に立てる仕事がしていけたらと思っています。

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じゅん

作業療法士をしています。 読書と山歩き、音楽が好きです。 詳しいプロフィールはこちら。

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