【本】人生を考える <がんになった緩和ケア医が語る「残り2年」の生き方、考え方>

こんにちは

本の紹介です。

緩和ケア医としてご活躍されている関本先生は、2019年秋の43歳の時に、ステージ4の肺がんで脳転移もあると診断を受けられました。その後も医師としての仕事を続けておられます。

2021年秋には、関本先生の仕事の様子が、テレビなどでも放映されていました。

患者として、そして緩和ケア医として仕事をされる関本先生の言葉は、生き方、病む方への支援などを考えされられました。

がんになった緩和ケア医が語る「残り2年」の生き方・考え方

関本剛 著 宝島社 2020年 

宝島社のHPより

関本先生は、1976年兵庫県神戸市生まれ。

関西医科大学をご卒業後、同大学附属病院、六甲病院緩和ケア内科での勤務を経て、在宅ホスピス「関本クリニック」の院長をされています。2019年、ステージ4の肺がんと診断され、治療に取り組みながら医師としての仕事を続けられています。

 

本書の扉、宝島社のHPより

わずか40年余の人生において、何かを成し遂げたわけでもない私にできることがあるとすれば、医師と患者の両方の立場からがんという病気と向き合った記録を残すことしかない。

それが1人でも多くの「がんを生きる」患者さんにとって、有益かつ実用性のある内容となること――

それが著者としての唯一にして最大の願いである。

本書は、医師として、患者としての、関本先生の思いや考えが語られています。

 

患者さんの気持ちと医師の気持ち

本書の中で、心に残ったところをご紹介します。

< 人は、生きてきたように死んでいく >

これは、日本におけるホスピス普及に尽力し、2,500名以上もの患者さんを看取った経験を持つ柏木哲夫先生(淀川キリスト教病院理事長、大阪大学名誉教授)がよく述べられている言葉である。

人間の長い人生は、最期の「生きざま」にも反映される。

普段からよき人でなければ・・ という意味ではなく、自分の大切にしていることを、最期まで大切にして生きていきましょう、という意味もあるかな、と思います。

 

これまで、あたりまえのように繰り返されてきた「無事に1日を過ごす」という生活が、実はあたりまえではないことに気づいたとき、私の中に芽生えるのは、生かされているという感謝の気持ちである。

1か月前の1日も、昨日の1日も、今日の1日も、明日の1日も当たり前にくる、と無意識に思っていますが、必ずしもそうではない。周囲の人やいろいろなことに支えられて生活できています。忘れがちですが、不平不満を言いすぎず感謝の気持ちで、大切に暮らしていかなければと思います。

 

関本先生についての記事など

関本先生が登場される動画が公開されています。先生の言葉をお聞き頂ければと思います。(2021年12月31日現在)

テレビ

ハートネットTV「自分らしく生きる がんになった緩和ケア医 親子の日々」:NHK 2021年12月

youtube

自身ががん患者になった訪問診療医が語る「在宅緩和ケア」:日本緩和医療学会 2021年6月

【特集】がん診断され2年・・診察続ける 緩和ケア医・関本剛さん「患者さんから勇気をもらえる」:MBS NEWS 2021年12月

(特集)がんになった緩和ケア医師が患者にかける言葉「お互い楽に長生きしましょうね」…看取る側から看取られる側になって:MBS NEWS 2021年12月

 

↓ 最近、ご著書の文庫版が発売されました

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じゅん

作業療法士をしています。 読書と山歩き、音楽が好きです。 詳しいプロフィールはこちら。

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