「母さん、ごめん。 50代独身男の介護奮闘記」 ~本
こんにちは
今回は本の紹介です。
独身男性が認知症の母の介護に奮闘する話です。少子高齢社会の現在、独身男性だけの話ではないと思いました。
母さん、ごめん。50代独身男の介護奮闘記
松浦晋也 氏 日経BP社 2017年
科学ジャーナリストの松浦氏は、50代の男性、独身で実家に母と同居されていました。
人生を謳歌していたはずの母親が認知症を患います。
母の様子がおかしいと気がついたのは、「預金通帳が見つからない」と言いだした時のこと。
誰だって、自分が確立した生活を崩したくないもの。様子がおかしいと認めなければ、それは現実にはなりません。そんな甘い意識から見逃した母の老いの兆候は、やがてとんでもない事態につながっていきます。
初動の遅れ、事態認識の甘さ、知識、リソースの不足…。認知症の親の介護について描かれたノンフィクションストーリーはたくさんありますが、「50代・独身・男性」が1人で母の介護に向き合うケースはまれでしょう。
認知症・母の介護を赤裸々かつペーソスと共に描いたノンフィクションストーリー。是非、ご覧ください。
日経BP社 ホームページより
相談することが大切
松浦氏は科学ジャーナリストであるからか、本書は簡潔に分かりやすく書かれています。
母に認知症と思われる状況が見られ始めて、年齢なりのうっかりだろうと思ったため、後で考えると大失敗だったと、松浦氏は述べています。
その上で、老親を抱える家族として、認知症を疑う事態になる前から、「地域包括支援センター」に連絡をとり、何かあった場合にはどうすればいいか相談するべきだといいます。
介護の社会化
母の介護を担当して、私は実感した。
高齢者の介護は事業だ。
感情とは切り離して、高度に社会的な事業として考えなくては、完遂は覚束ない。
「後書きにかえて」の8ページの中で、松浦氏は今後の社会があるべき姿を提言しています。
母親の失禁や母に手をあげてしまったことなど、介護の状況を認知症の進行とともに赤裸々に綴られています。
今後、親の介護について考える必要のある方は、ぜひお読みいただければと思います。
投稿者プロフィール
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作業療法士をしています。
読書と山歩き、音楽が好きです。
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